無名作家の文章道場

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国産のレモンを買った

自動記述による文章練習(メイン記事)

 国産のレモンを買った ピンクグレープはアメリカ産 ホタテ貝で農薬を落とす方法はまだちゃんと調べていない レジの最中に地物のトマトがあったのを見つけたが とりあえずまた今度にすることにした 国産のレモンは広島産で そういえば去年仙台の八百屋で買った国産のレモンも広島産だった気がした 八百屋の息子はぼくと同い年か 少し年下にみえた 母親はちょっと天然ボケな感じで愛嬌があった その母親と偶然鉢合わせた駅近くの郵便局で ぼくはそのとき収入印紙を買った 確か島根から戸籍謄本を取り寄せるためだったと思う 島根の家はたぶんもう住める状態じゃないかもしれないと母はいったが グーグルマップでみる限り そんなことはないだろうと思った ぼくは畑の横を歩きながら 「ぼくらはみんな生きている~♪」の「生きている」を「死んでいる」に替えて歌った 「カラスの勝手でしょー♪」とも歌った 畑の真ん中にあった吉田家の墓は 数年前に益田のおじさんの家の敷地内に移されたらしい ぼくは益田のおじさんに 仙台の牛タンの中でも特に美味しくて高級な「芯タン」を送った そのお礼でおばさんから電話がきていたらしいが 知らない着信だったから折り返しはしなかった おばさんはもう一人のおばさんと 少し腕を組むようにくっ付いて歩いていて その様子というか感じが母にそっくりだと思った 禁煙も成功したし 今後もずっと1日1食を続けるつもりなので 来月からは母に金をせびらなくてもなんとかなりそうだ 禁煙も空腹もまだ少し辛いが あと1カ月もすれば慣れると思う だからこの1カ月は 禁煙と空腹さえちゃんと我慢すれば あとは何をしなくても良いことにした ブログの更新が面倒だったらしなくていいし 小説だけ書きたければそうすればいいし 本を読んでもいいし 映画をみてもいいし 何もしないで1日中寝てもいいし ボーっとしてもいいし とにかく今月中は自分の体と向き合うことに集中する 体重を70キロまで落とすと立ち眩みが起きるのは 慣れの問題なのか? それとも健康な体としてのちょうどいい限界がそこなのか? 脂肪が燃えるのは歓迎だが 筋肉が落ちるのは好ましくない 肌が綺麗になったかわりに 禁煙の好転反応で口内炎が3つもできてしまった 湯シャンも同時進行していて きのうの夜中に頭が痒すぎて髪を洗ってしまった 顔も体ももう石鹸はつかっていない 歯磨き粉もつけていない 口内炎はケナログではなく蜂蜜で治すつもりだ 蜂蜜はミャンマー産を買った 中古のミキサーは1,300円で格安だったが ちょっと大きすぎて それを買ってしまうと他の買い物がしづらくなりそうだったから また今度にすることにした そのかわり3種類のリンゴを混ぜ合わせているという瓶詰のリンゴジュースを買った 300円だった 玄米は5キロで1,600円 アイスプラントは150円 見晴らしも良いし この辺りに住めたらどんなに良いだろうと思った いや 魚のことを考えれば 今住んでいる場所がやっぱり一番いい 先週食べたあのホヤはしかし たぶん養殖だったと思う 女は「大きさが違う」といったが そうじゃなくて天然かどうかを知りたかったのだが それ以上その女と話すのは面倒だった 妻は最近ホヤの気分ではないらしい それに対して「もりか……」とぼくはいった 1日1食にしてから ぼくは夕食の時間が待ち遠しくなった 少し塩分を取ったほうがいいかもしれない そういえば具なし味噌汁は飲んでもいいことにしていた 出汁はアジの煮干し 味噌は仙台味噌 こんど津軽味噌も買ってみようと思う いや 白味噌を買ってみようと思う 口の奥からさっき一口味見をしたミツバの味がした べつにナメコはいらないかもしれない 朝のウォーキングは起きれたらやるでいいと思う 朝起きれないということは 酒の飲みすぎか 肉を食ったから――ということにとりあえずする できれば20代の頃のように腹を割りたい いや 割る 筋肉を増量したうえで 68~70キロを維持するのが理想だ 明日こそ走りたいと思う それにしても腹がへった そして眠い 窓を閉めたら少し暑くなった 背中のクッションの位置が悪い 桜川の桜は青々としていた ぼくは右へ行くか左へ行くか少し迷ってから 結局どっちにも行かずまっすぐ進んだ まっすぐの後どう進んだかの記憶はちょっと曖昧だが とにかくぼくは20年以上ぶりに渋の家の前をとおった それからぼくは渋にメールをして20年ぶりに渋に会った 渋の行きつけのスナックで ちあきなおみの「喝采」と ゴダイゴの「ガンダーラ」を歌った 「ガンダーラ」をはじめて知ったのは 小〇先生が笹塚のカラオケ店で歌ったのを聴いたときだった やっぱり今日は親子丼を作ろうと思う 鶏肉と卵の両方を使うから親子丼というらしい 親子丼を食べたい そしてぼくは鳥のもも肉と玉ねぎを買いにいった みつ葉はたくさんある だから親子丼にしようと思ったのもある 渋の家の前をとおったのはその時だった 渋のメアドも電話番号も変わっていたから ぼくは渋の家のポストに渋宛の手紙をいれた 渋は相変わらずだった 見た目も高校時代のまんまだった 渋はビールを少ししか飲まなかった 渋の家の庭はキャンプができそうなくらい広かった ぼくはその時まだ二十歳くらいだった もうすぐぼくは四十歳になる ぼくは明後日か明明後日に完全断食と瞑想をする 意識を保ったまま目を閉じて ひたすら何も考えないことを続ける いや そんなことは不可能である いや 今のぼくなら少しは可能性があるだろう 「ア」からはじまる何とかという覚醒作用を促す物質が まだ正常に機能していない今こそが 瞑想のチャンスでもある ブログは大幅に書き方を変えようと思う というかこれと同じ書き方にしようと思う なにも恐れることはない また気が変わったらその気の通りにやればいい とにかくぼくはもうこれ以上なにも言いたくはない とりあえず 具なし味噌汁とチョコレートと珈琲と蜂蜜とフリスクとヒマラヤ岩塩と水とリンゴジュースと リンゴジュース+人参+オリーブオイルのスムージーという これだけ口にして良いものがあれば 完全断食なんて余裕だろう いや やっぱりブログはこれまで通りの書き方にしようと思う というか これだと断食とはいえないだろうから チョコレートとスムージーはやっぱりナシにしようと思う 海の前で瞑想するのもアリだとは思ったが なんとなく却下した 歩いた距離はわからないが 時間はちゃんと30分を過ぎていた 早歩きで しかもなるべく土や砂浜のところを歩いた 最近 鉛筆で手書きをしてからパソコンに清書するようになった しかもパソコンは立ってやるようにしている あらゆることに体が慣れるまでは我慢をしなければならない そのうち集中できるようになるはずだ 一週間もすれば足は慣れると典夫は言っていた ぼくは店長から見えないように片足をあげたり 何かの仕事をしている振りをしながらしゃがんだりした 時給は750円だったが 当時のしかも青森にしてはかなり良いほうだった 店ではいつも有線が流れていて 中でも「SPEED」の歌をぼくはよく聴いた ボーカルの島袋ヒロなんとかという女の子は確かまだ小学生だった 六本木でぼくは浜崎あゆみを何度かみた 安室もみたし 広末涼子もみた ダパンプもみた 六本木交差点の街頭テレビには 毎日のようにGRAYの「HOWEVER」が流れていた GRAYの中でぼくはJiro(ジロー)が一番好きだった 確かJiroはメンバーの中で一人だけ年下だった ぼくはというと 留年したからクラスで一人だけ年上だった その当時のぼくの体重は72キロだったが 20年以上経った今現在、さらに2キロマイナスの70キロまでぼくは体を絞っている 身長は181.7センチ 約182センチ でも腹筋はまだちゃんと割れていない 脂肪と一緒に筋肉も落としてしまったからだろう 確かダルビッシュは筋力アップのために 鳥のもも肉ではなくむね肉を食べているというのを前にネットでみた記憶があるが 間違いかもしれないので後でちゃんと調べてみようと思う 帰国していたダルビッシュは サングラスをかけて他の選手に指導のようなことをしていた そのダルビッシュに「先輩♪」みたいな笑顔で走り寄っていたのは大谷だった 大谷は倹約家というか 野球以外のことに興味がないらしく だからお金をほとんど使わないらしい ぼくは今月の妻の給料日から 食費と雑費込みで 8日間を5千円でやりくりすることを決めた もしもその8日の間に 米とか絶対必要なものが安売りされていても 5千円に収まらないときは繰り越してそれを買うことはしない 「どーせ使うから」という考えが 使う量を無駄に多くしていることに気づいたからだ そうじゃなくて 足りない分は家にある物で代用するか ちょっとくらい我慢したほうが 金を使わなくて済むし むしろストレスにもならない気がする 

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目が回る

自動記述による文章練習(メイン記事)

 目が回る 「ア」からはじまる何とかという物質が 脳を覚めさせてくれないらしい 何かに集中しようとするとよけいダメになる だからぼくはもうあきらめることにした ぼくの体はゆれている 酔っているのではない 脳の焦点が合っていないのだ 眠いともちがう 寝てもすぐ起きる 脱ぐと寒いくせに 着るとちょっと暑い 昨日より糖分を摂りすぎている気がする 屁は昨日や一昨日ほど臭くはない ウンコはでていない 手に力は入る 下半身は軽い 上半身が重いわけではない テーブルの上に酒と箸をセットして それに向かってバンザイ運動をしたが その二つに繋がりはない 眠いわけではないが じっとしていられないのは確からしい そのくせ体が動かなくもなる 落ち着かない 小便を我慢しているのか?とも思ったが 尿意はまったくなかった とにかくぼくはまた起き上がって 右に左に変なふうに体を振りながら 部屋を一周して ふたたびパソコンの前にもどってきた 今はとてもじゃないが ラジオ体操のような規則正しい動きはできない いや これからもする必要はないかもしれない 収まりが良いのはわかるが ドアも壁も床もぜんぶ直線なのは 実は良くないことかもしれない 今朝の海はいい感じの霧が張っていたが 何気に人が多くて白けてしまった 蓮池の真ん中のカゴに一人でいたカモは 頭をかいた右手をなかなか下ろさなかった 蓮は葉肉がしっかりしていた 砂浜に羽根つき蟻のような虫が5,6匹いて 砂をかけてぜんぶ生き埋めにした この時期の日の出を見るには 朝の四時半でも間に合わないことがわかった 笛のような楽器を中心にした何かの音楽が聴こえてきたので ぼくはそのほうへむかって歩いてみた しばらくして音楽は笛だけになった トド湯の近くにあった小さい劇場で母とミュージカルを観たのを思い出した ツァラトゥストラが森に入っていくシーンも思い出した いや そんなシーンがあったかはわからない とにかくその森の奥に かなり甘ったるい板チョコが二枚あって キャプテン翼の「燃えてヒーロー」という曲名だったと思う歌に合わせて軽く踊り歩きながら ぼくはそれを二枚とも一気に食べてしまった それからぼくは握りこぶしくらいの大きさになった そしてぼくはその握りこぶしに握りつぶされたかと思いきや ふたたび花開き そしてまた握りつぶされるというか 閉じられて でもその繰り返しは 形もリズムもまったく一定ではなかった ぼくは左手で何かのリズムを取ろうとした その左手に合わせて首も動かした 目を覚ましたら 真っ白い灯台のようなものが見えた 夕日は紫とピンクが混じったような色合いだった 「ライン川」と言いたいような綺麗な川もみえて その川はぼくの小便とつながっていた そのときだけぼくの小便は鼻と口からでた 味覚や嗅覚より触角が鋭くなった気がする――と 右足の裏で左足の関節から脹脛の間をけっこう強めに擦ったときにそう思った そのあとぼくは少し暑くなってジャージを脱いだ ぼくが脱いだジャージは ナイキのやつで色は青だが もう一つのアディダスのジャージは 艶消し的なゴールドで 右の肘のところに穴が開いている タバコでやった穴かもしれない 確かに どうしてもタバコを吸いたい瞬間というのが今でもたまにやってくる ぼくの場合は何かをキリよく終わらせたときにそれがくる たとえばたった今 メガネを拭き終わって それに使ったティッシュをゴミ箱にほうり込んだ瞬間 ぼくは猛烈にタバコを吸いたくなった しかしもうタバコを吸えないことに ぼくはハッとした かといって空腹にばかり頼るわけにもいかない 脂肪を取り崩して あるいはチョコレートを舐めすぎて 空腹が紛れれば そのまま次はタバコを吸いたくなってしまう ぼくの今日の屁はあまり臭くない チョコレートを舐めすぎたせいで 腸が宿便を出すモードにならなかったのかもしれない 空腹を友とするにはまだもう少し時間がかかりそうだ とにかくぼくは寝ることにした いや ぼくはもう数えきれないくらい何度も寝ている 今日だけで10回以上寝ている でもぼくはまた寝た 寝る以外にすることがなかったからだ 肌がツルツルしているのは気のせいではないと思う このままシミが完全に消えないまでも 薄くなってくれたらけっこう嬉しい やっぱりタバコを吸いたい いやダメだ ぼくは多くの喫煙者と違って 酒を飲むとむしろタバコを吸いたくなくなる だからいざとなったら酒を飲めばいい 酒ならいつでも止められる と言いつつ 1週間たってぼくは完全にタバコを吸いたくなくなった いや 完全とまではまだいかないが それでもタバコを吸うことはもう一生ないと思う 禁煙初日に比べると タバコの誘惑は100分の1くらいまで減った 1日1食にもしたし ぼくの人生はこれから大きく変わるだろう ぼくはますます恐れるものがなくなった しかもぼくはもう働かなくてもなんとかやっていけそうだ ぼくはもう夢や希望をもたない ぼくはもうただ生きることだけに専念しようと思う これからぼくはますます人の話を聞かない人間になるだろう というかぼくにはもともと耳なんかついていない 相変わらずブログのアクセスはショボいし 誰からも何の反応もない しかしいずれ ぼくが望む反応をしてくれる人が もしかしたら現れるかもしれない そうなったらぼくはその人と生きていけば良い ぼくの本当の味方は未だに1人もいないが 味方ができたからといって ぼく自身は何も変わらない ぼくはただ今までのように ガンダーラの歌などを歌いながら部屋で踊るだけだ 変わるのはぼくではなく ぼくに対する妻の態度である ぼくは自分が稼いだ金で妻を温泉に連れていきたい そして妻をいい加減黙らせたい ぼくは海沿いの温泉で 体を仰向けに浮かべながら 陰茎をプカプカさせて遊んだ 「ひどいカタチだね!」といった妻に 「は?何がぁ~?」とバカ面で返したぼくは そんなことより夜空に星が一つもないのを寂しく思った そこは熱海だった いや 網代だったかもしれない 網代駅の改札のところには猫がいた 猫はやたら駅員に懐いていたが 駅員のほうはほとんど猫をシカトしていた 実はなにか食べものをあげたばかりで もっと欲しいとせがんでいるようにも見えた 猫と目が合ったから ぼくは軽く手招きをしてみた もちろんそれで来るはずはないと思った そしてやっぱり来はしなかったが ぼくがその場から立ち去ろうとしたら 猫はぼくについて来ようとした ぼくが立ち止まると 猫も立ち止まって さらに一歩下がった ぼくが一歩下がると 猫は五、六歩下がった ぼくはふたたび立ち去ろうとした 二、三歩前に進んでから振り向くと 猫はもういなくなっていた そこは網代駅のホームに違いなかったが 中央線の奥のほうにある「拝島駅」というホームに少し似ていると思った ぼくは拝島で あーだこーだといろいろ言われた 相手の男はぼくより一回り以上年上だった 男は数年前にスキルス性の胃癌で死んだらしい 男は洗濯物を風呂場に干していた 出勤はいつもバスで 東京の電車にはなるべく乗りたくないといっていた それに対して「確かにぼくもそうです」といった後 男はしばらく「白石美帆」の話をぼくにしてきた 確かぼくと白石美帆は同い年である いや違うかもしれない でもそれほど歳は変わらないと思う ぼくは香取慎吾と同い年だとずっと思っていたが 実はぼくより一学年上だというのを スマップの解散報道のときにはじめて知った 香取慎吾が六本木かどこかの有名な建物の屋上で「慎吾ママの歌」を歌っていたとき ぼくは天沼のマンションでそれを見ていた 天沼のマンションは西向きだった 信子おばちゃんが住んでいる海沿いの家も西向きで わりといつも超綺麗な夕日がみえた そのかわり信子おばちゃんの話はとてつもなく長い ぼくはそろそろ帰るつもりで海沿いの岸壁を歩いて行こうとしたら 信子おばちゃんもそれについてきた 岸壁の角のところにあった空き家に子育て中のカラスがいて ソイツらを怒らせてしまったぼくは あやうく頭を突かれそうになった 振りむいた瞬間 カラスは軌道を変えた 本当にあと3メートルくらいの距離だった カラスに気をとられて上を見ながら走れば あっという間に道路に飛び出してしまいそうな気がした たとえばそうして死んだとしたぼくを想像したぼくは いずれ下手に苦しんで死ぬより そのほうがマシかもしれないと思った 

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足がしびれて

自動記述による文章練習(メイン記事)

 足がしびれて 「あー足しびれたー!」と心のなかで叫びながら ヨタヨタあるいた ヒール音が聞こえたから一応みてみると なかなかの後ろ姿美人だった 今日は母が街で寿司とタコの帽子を買ってきたから 夕食の支度が超ラクだ といっても いい加減いろいろ準備をしなければならない いつからか ぼくはタコのことを「タコちゃん」と呼ぶようになった しかし「今日はタコちゃんだよ」といっても 妻は無反応である タコよりイカが好きだから――というわけでもないだろうが 妻のその無反応が ぼくはちょっと気持ち悪く感じることがある というのも 「〇分のバスにのるもり」という妻からのメールに 「もり」とぼくが返すべきところを 「めり」と間違って返信したときに 妻がやたら大はしゃぎしたから――つまり「それなのに」という理由だ いや それもちゃんとした理由にはなっていない テレビで藤倉大が作曲したという三味線を聴いて やっとこの人の凄さをわかったような気がした もっとずっと聴いていたいと思った しかしやがて演奏は終わってしまい ぼくは布団を敷いてから 電気ストーブのスイッチを切って コンセントも完全に抜いた そうしておかないと 夜中に妻がストーブのスイッチを寝呆けていれてしまうからだ 10月から毎月の電気代が1万円を超えている これが落ち着けば少しは楽になる 妻のパソコンがなかなか終わらない さっきぼくが買い物にいっているあいだに済ませてほしかったというのは ぼくの勝手な言い分である というのもパソコンは妻のものだからだ ぼくのパソコンは2カ月くらい前に壊れてしまった 買い物にいく途中に桂木の店の中を覗き見ようとしたが 桂木らしき奴がこっちを向いていた気がしたから ぼくは咄嗟に目をそらした 桂木の家のまえには木製の短い橋があった その橋の下の川沿いにあった足場を歩いている夢の中で その川沿いに実際にはなかった たくさんの小枝でかまくらのように模った基地があって ぼくは夢の中のその基地の中で 桂木と公平と3人で遊んだ 桂木はサラミ 公平はラムネ ぼくはチョコボールをそれぞれ食料としてもってきていた 基地の出口からは病院の裏側がみえて そこは廊下になっていた ときどき医者か看護師がそこを通るのを見かけると ぼくたちは慌てて基地の奥に体を詰めた 病院の正面側にある道路をわたるとススキの大群がある ススキの大群の横には横内整骨院というのがあって そこの娘とぼくたちは同級生だった 横内はあまり可愛くはなかったが 超巨乳だった 運動会の徒競走で横内が最後の直線を走ってくるとき その乳揺れを目に焼きつけようと 多くの男子がゴール前に集まっていた 横内整骨院の隣には 女子高生をレイプして逮捕された祐二の家があって その目の前の空き地で ぼくは祐二と祐二の弟と三人で ピンク色のスライムを投げ合って遊んだ 祐二の家の真裏はすぐ砂浜になっていて ある日そこに激しい波が打ち寄せてきたとき ぼくは体を大の字に構えて その波を10回以上受け止めた 確か小学三年のときだったと思う 猪木が転校してきたのも小学三年の終わり頃だった そのあと四年に進級するときのクラス替えで 「同じクラスだってよ、やったな!」と猪木にいわれたぼくは その日はじめて猪木と一緒に帰った 猪木は見た目は普通だったが やたらケンカが強かった 猪木と川谷が取っ組み合いのケンカをしたとき ぼくは二人の目の前で体育座りをしながら爪を噛んでいた そうやって爪を噛んでいるからしょっちゅう口内炎になるんだ!と両親にいわれても 爪を噛む癖はなかなか直らなかった ぼくは口内炎の患部に「ケナログ」というちょっとザラザラした感じの軟膏薬をぬった 患部が口の中のほかの部位にあたるのを防いでくれたケナログは ある意味それだけで即効性があった ぼくは口の中のケナログが溶けてなくなるたびに 新たにケナログをぬった ケナログはチューブのノリに「アワ」とか「ヒエ」を砕いたものを混ぜたような味がすると思ったが チューブのノリはもちろん「アワ」や「ヒエ」もぼくは食べたことがなかった 2年くらい前に頬の内側に口内炎ができたとき ぼくは20年以上ぶりにケナログと再会した 味はあまり変わっていないような気がした ケナログが発売される前までは 赤紫色の液状の薬を口内炎の患部にぬっていたが それはかなり沁みて痛かった 水疱瘡の軟膏薬は服に引っ付いて気持ち悪かった いつも行っていた佐々木小児科には大きい水槽があった 水槽の中には風車があって その周りを泳いでいた魚の体は透明で 内臓の一部が透けてみえた 下駄箱がある正面玄関と院内とを区切る自動ドアの角には 「ミルミル」しか入っていない冷蔵庫があった 床は真っ黄色でツルツルしていた 下駄箱がある正面玄関はだいたいいつも電気がついていなかった 正面玄関から外に出たところの駐車場でブッチをみつけたぼくは そのままブッチを抱きかかえて 半壊したわが家をみせながら 「ここはもうお前の家じゃない いや あとからまたお前の家になるけどいまは違う」みたいなことを口でいったが もちろんわかってくれず その後もブッチは夕方になるといつも小児科の駐車場にいた 取り壊した家から仮住まいのアパートまでは目と鼻の先だったが 道路を渡らなければならなかった たぶんそれがブッチにとって一番の障害だったと思う それでもしばらくして 仮住まいのアパートまで帰って来られるようになってから 新しい家が完成して またもとの場所に戻ることになった だから今度はアパートの近くまでブッチを迎えにいって もとの場所に戻ることを覚えさせようとしていたら その途中にブッチは車に轢かれてしまった といっても 普通に歩けるくらい体のほうは全然なんともなくて 片方の目が飛び出てしまっただけ……と そう言ってしまっていいのかは微妙だが とにかくそうなってしまったブッチを ぼくは今までのように抱きかかえることはやっぱりできなくて そもそも両親がブッチに触ることさえ許してくれず やがてブッチは萱野茶屋(かやのちゃや)にいる人に引きとってもらうことにして そうしたと ある日父がいった でも確か萱野茶屋は 長生きするお茶がある有名な観光スポットというだけで 父がいったような障害をもった動物を引き取ってくれる施設なんて見たことも聞いたこともなかったから もしかしたらブッチはその辺りに捨てられたのかもしれないと思った それからぼくは何度かブッチの夢をみたが 夢の中のブッチは両目ともちゃんとしていた 「ブッチ」という名前は一応ぼくが名付けたことになっていたが 母がブッチをはじめて家につれてきたときに「ブッチだよー」といったように聞こえたから 「ブッチっていう名前なんだ……」と思っただけで でも母はそんなことは一言もいっていないといった そのまえに飼っていた猫は「タロウ」という名前で それは誰が付けたのか そもそもタロウがいつ死んでいなくなったのかも憶えていない タロウもブッチも放し飼いにしていたから ずっと家の中にいたわけではなかったが 家の近所の目がつくところにはだいたいいつもいて 夕方のはやい時間には必ず家に帰ってきた 去年の夏 ブッチが連れていかれたという萱野茶屋(かやのちゃや)に隆司と行ったとき ぼくはブッチのことを思い出さなかった 隆司は彼女と別れようかどうか真剣に悩んでいた そういえば隆司の彼女とはじめてあった池袋の居酒屋で 久しぶりに軟骨の唐揚げをたべたことをぼくは思い出した しばらくして隆司が海に行こうといったから 高校のときにいつも二人でタバコを吸っていた岸壁にいった 「あの頃の自分がもし今そこにいたらどうする?」と聞いたら 「海に突き落とすよ!死んでもらう!」と隆司は笑いながらいった 

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来年産まれる弟の子供が男の子だったら

自動記述による文章練習(メイン記事)

 来年産まれる弟の子供が男の子だったら 「極(きわむ)」という名前はどうだ?と弟にいったら すぐに却下された じゃあ他になにか候補の名前はあるのか?と聞いたら スラムダンクの三井寿からとって「寿(ひさし)」にするかもしれないと弟はいった 電話が終わって スラムダンクの三井寿の画像をネットで少しみてから 玄関の外の踊り場でタバコを吸っていたら 鮮やかな黄緑色の小さい蜘蛛が目にはいった 目を凝らしても糸はみえなかったが なんとなくここだと思った位置に タバコの側面を絡めるつもりで 右手を軽く横に押し当てた 慌てて糸をよじ登ることになった蜘蛛は しかしタバコがある真上の位置ではなく それよりさらに20センチくらい離れた向こう側の上のほうに 斜めによじ登っていった そのくせタバコを引くと その動きに蜘蛛はついてきた つまり糸は1本ではなく2本……いや それ以上の糸が上から垂れ下がっているのか?と思って 空中にもう一度目を凝らしてみたが 糸はやっぱり見えなかった タバコに絡んだ部分の糸がいつの間にか切れて 蜘蛛はそのまま斜めに 空中を泳ぐように ぼくから離れていった ぼくはそれを立ち上がって追いかけた といっても わずか半歩で蜘蛛の真上にきたぼくは 糸があると思われる位置に 今度は右腕ぜんぶを押し当ててみた 蜘蛛はぼくの手首よりやや肘よりの位置に 今度はまっすぐ登ってきた ぼくはその腕を斜め下に倒して ぼくの手の中のほうに蜘蛛がくるようにした 素直に手の中に登ってきた蜘蛛は ぼくの掌から手の甲を なんども高速で移動した ぼくの視線を嫌って蜘蛛がそうしているわけでもないと思ったのは 蜘蛛の動きを追う為に その都度回していた手を止めてもそうだったからだった やがて蜘蛛は腕のほうによじ登ってきた ぼくは息を吹きかけてそれを阻止しようとした それでもしつこく腕によじ登ってこようとする蜘蛛を ぼくはそのまま放置して部屋にはいった 小さくて色も綺麗な奴だったから 体のどこかに蜘蛛がついていることの気持ち悪さはほとんど感じなかった 弟は彼女の両親に「兄は芸術家です」といった 彼女の両親は「そうですか」といったきり ぼくのことをそれ以上触れなかった 彼女の実家はサザエさんの家の形に似ていた 庭の柵のむこうには道路が二つ……というか大きい一つの道路の真ん中の一角に 無理やり後付けしたように 二等辺三角形の形をしたスペースの変な公園があって それのせいで一見道路が二つあるように見えたのかもしれない サザエさんの家から ぼくはまずその公園までの半分だけ道路を渡った 公園には細い白樺の木が並んでいた 草陰のむこうで何かが動いた気がしてみると ぼくの片手に収まりそうなくらいの小さい子猫がいた 辺りを一通り見渡しても 親猫や飼い主らしき人は近くにいなかった ぼくが子猫に近づくと 子猫も近づいてきた しゃがみこんだぼくは 自分の股のあいだのすぐ手前にまできた子猫の頭を触ろうした しかし子猫は止まらないで そのままぼくの股の間をくぐり抜けていった 「あれ?」と思って振りむくと 子猫も同じような様子でぼくのほうに振りむいていた そしてそのときはじめて子猫の顔を正面からみたぼくは 子猫の両目が潰れているのをしった 振りむいた子猫が そのままふたたびぼくの股にむかって歩いてきたから 今度は行き過ぎて股をくぐってしまわないように ぼくは地面に完全に座りこんだ 子猫は潰れた両目を上にあげて「にゃあ」と擦れた声で1回鳴いた とりあえず水を飲ませようとしたが 公園の真ん中に水道はあっても それを入れる入れ物がなかった 「ちょっとまってろ」といって ぼくは一番近くのローソンまで走って紙皿を買ってきた 水をいれた紙皿を子猫の前におくと 子猫はその臭いを少し嗅いでから 何口か飲んだ それからぼくは子猫を抱きかかえようとしたが 下手にそうしてしまうとどこかの骨が折れてしまいそうに思ったから 右手で首の皮を掴んで持ちあげた それでやや前のめりの姿勢になった猫の尻の部分を さらに左手で支え持った 家につくまで 子猫は抵抗することなくずっとジッとしていた ぼくは歩きながら何度も子猫の頭の匂いを嗅いだ ぼくが幼い頃に実家で飼っていた猫も 荻窪のマンションで死んでしまったウサギも ぼくに頭の匂いを嗅がれることを嫌がらなかった ウサギはむしろ気持ちよさそうにしていた でも弟は嫌がった だから物心というか……弟が意思を主張するようになってからは ぼくはなかなか弟の頭の匂いを嗅ぐことができなかった 弟は ぼくが頭の匂いを嗅ぐ行為のことを「ヒャフ」と呼んだ 頭の匂いを嗅ぐときに 「ハフハフ」とぼくが口に出して発音するその声が 弟には「ヒャフヒャフ」に聞こえたからだった ともあれ弟にとって「ヒャフ」は嫌なことだったから 弟がなにか悪さをすると 「ヒャフするぞ!」とぼくは弟を脅した もしくはテレビゲームをしている弟に 「3分ヒャフしていいからこのボス倒して」といわれることもあった 父が弟と二人で車でどこかへ行こうとしたとき 弟が乗っていた助手席のドアが半開きで しかも父はそのことに気づかず そのまま車を発進させようとしたから ぼくは動きはじめた車に近づいていって「手ひっこめろ!」と弟に叫びながらドアを閉めた そのときの父の車の色は紺色だったと思う 確か「89」からはじまるナンバーだった 向かいに住んでいた新山は ときどきてんかんの発作を起こして救急車で運ばれていた 救急車に乗ったぼくは いわゆるたらい回しにされた 「ごめんね……もうちょっと待ってね」といった救急隊員に 「あ あ……はい……」と呻く感じでぼくは返事をした ようやく受け入れてくれた中野の病院で ぼくは一週間入院した といっても二日目にはだいぶ動けるようになったから 病院の廊下をちょくちょく歩いて病院内を探検した 窓から外をみても ここが中野のどこなのか?ぜんぜんわからなかった 「向かいのベッドの山本さんには食べ物を絶対あげないでください」と看護師の人にいわれた 山本さんは甘いものが大好きで ぼくの見舞いにきてくれた友人がもってきた菓子とかをやたら食べたがった タバコの灰皿から吸えそうなタバコを拾いとって 体をブルブル震わせながら「火を付けてくれ」とぼくに近づいてもきた といっても山本さんは声を出すことができなかった 紙に何かを書いて意思表示をするでもなく ぼくはただ山本さんの様子だけで山本さんのいいたいことを判断していた 山本さんはいつも帽子をかぶっていたが ある日その帽子をとった山本さんの頭をみてぼくはビックリした 前頭部の半分以上がベコっと窪んでいたからだった で その窪みにはソフトボールくらいの球がちょうど収まりそうな感じだったから 実際にソフトボールの球を山本さんの頭にはめ込んでみたら 山本さんは「ニコッ」と笑った――と ぼくがそうするのをたまたま見ていた看護師さんが 慌てて先生を呼んできて 次第に山本さんの周りが慌ただしくなったから ぼくはその場を離れて外にタバコを吸いにいった で タバコから戻ってきたら山本さんが死んでいて それはぜんぶぼくのせいにされた ぼくは裁判で勝つために フェチュコーウィチというロシアの有名な弁護士を雇った しかし裁判で負けてしまったぼくはシベリアに送られて 3年間強制労働をさせられた そこで出会ったドーロホフという悪人が 出所後もぼくに付きまとってきて 「だったらソイツをぶっ殺してやるよ!」とスモっちゃんにいわれたが 少し考えてから やっぱりスモっちゃんの申し出をぼくは断った ぼくはドーロホフから逃げて 杉林にはいった そこの獣道には所々に落とし穴が掘ってあって ぼくはその落とし穴のほとんどぜんぶに落ちた 一番深い落とし穴は5メートル近くあったと思う そこに落ちた衝撃でしばらく気を失っていたらしいぼくは やがて気がつくと 目の前が真っ暗で息もできなかった どうやら「西村」というぼくの知らない奴が ドーロホフにいわれて ぼくが落ちた落とし穴の上から土をかけているらしい声が聞こえた そう ぼくは生き埋めにされるところだった いや ぼくは生き埋めにされた しかしぼくは無事生還した どうやって生還したのかは記憶にない 生き埋めにされたそのすぐ後の記憶を辿ってみると どういうわけかピンポンダッシュをしたガキどもを追いかけている自分になる ガキどもは自転車で逃げたが まだ助走中だった一人のガキを ぼくは全速力で追いかけて捕まえた ぼくはお仕置きとしてそのガキに「ヒャフ」を1時間した そのガキはぼくに「ヒャフ」をされている間ずっと黙っていたというか ジッと安井の家があるほうのブロック塀をみていたが 別にそこに何かがあったわけでもなかった 

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2ヵ月と10日がすぎても

自動記述による文章練習(メイン記事)

 2ヵ月と10日がすぎてもブログのアクセスが爆発しない 記事はすでに100記事を超えている 1記事は2000文字以上 記事の更新とブログの構築に費やした時間は毎日10時間以上 休みなしでそれをもう2ヵ月も続けている アクセスは1日20PV 収益は300円 いい加減倒れそうだ 小説と違ってブログはボランティアで書いているわけではない 理性を保つのが難しくなっている 今は愚痴以外のことをブログに書けない 督促された水道代をコンビニで払う レジの横にあった120円のいちご大福を見ていたら「いかがですか?」と店員の女に声をかけられたが それに応える金もない 病院清掃のバイトにぼくは応募するつもりだった そのための履歴書を買ったときは違う女だった コンビニを出たぼくは早歩きでスーパーに行った 普通に歩くより早歩きのほうが 男性ホルモンの中の「テストステロン」というやつの分泌がよくなるとか そんなことを前の晩のテレビで見たからだった テレビの中の男は45歳独身で 居酒屋とコンビニのアルバイトを掛け持ちしながら その日暮らし的な生活を送っているようだった もう一人の47歳くらいの男は 会社の中間管理職的なポジションでストレスを溜め 異常に寝起きが悪いことに加えて ぜんぜん暑くなくても異常に汗をかいてしまうという…… その汗の映像をみた妻は「汚い」といった 妻に汚いといわれたその男は 駅まで早歩きをしていた 公園でスクワットもしていた 45歳の男のほうはカラオケでストレスを発散していた それで二人ともテストステロンの数値が少し改善したらしかった 早歩きで家に帰ってきたぼくは いつもより体が火照っているのがわかった さらにそのままスクワットを50回やって テーブルの周りをつま先立ち歩きで100周した つま先立ちで歩くと足ががに股になる それに合わせるように 腕もカニのように折り曲げて 水ならぬ空気をかくように手を動かすことになった しかも そんなふうにテーブルの周りを回っている自分の様子を傍からみたことを想像して その間ぼくはほとんど大笑いしていた 笑うこともテストステロンの分泌には良かったはずである そしてぼくはその夜ずっと笑い転げた そんなぼくの様子をみて しばらくもらい笑いをしていた妻は やがてスマホゲームをやりはじめた 「チャリーン チャリーン」と ゲームの中の主人公がお金で何かを買っているような音が鳴るたび ぼくの笑いは絶頂に達した ぼくは笑いながら妻の背中にクッションを当ててやった 「温泉にいきたい」と妻がいって ぼくはブログのアクセス数をまた見てしまった これ以上母の年金をとるのは さすがのぼくも限界かもしれないと思った ブログが金になるまでは やっぱりもう誰にも会わないと決めた 何日か前に淳太郎に会ったとき たった千円でも現金をもらえれば ぼくはどんなに助かっただろう…… しかしぼくは 淳太郎にそれをいうことができなかった ぼくはもう昔のぼくとは違う 小〇先生以外の友人に 現金という境界を超えて接することができない そのくせ今のぼくは昔以上に現金がほしい だからぼくはもう誰にも会わないほうがいいのだ グーグル様を信じてじっとその時を待つ それ以外にぼくが助かる道はない ぼくは誰よりもマジメに人生を生きてきたはずである しかし 人からは誰よりも不真面目に生きてきたことになっている つまりぼくは生まれてくる世界を間違ったのである だからぼくはやたら宇宙に行きたがっていたのかもしれない 仙台で流れ星を2回連続でみたとき ぼくはナイキの青いジャージを着ていた 今もそのナイキの青いジャージを着ている 買い物にもこれで行った だから「青ナイキの人」とスーパーの店員の間で実はそう言われていることを ナンパしたレジの女にさっき聞いた 女には子供が二人もいた そのうちの6歳の長男を連れてぼくは花見にいった 牛の被り物を被ったぼくは 桜の木にのぼって そこからジャンプする瞬間の写真を何度もソイツに撮らせた ようやく納得できたその写真の 体を大の字に広げたぼくの左手の斜め上に写った雲は ワニの形をしていた 疲れたと駄々をこねたソイツに ぼくはかき氷と綿飴を買ってやった 海に入りたいというから 一緒に泳いでもやった 海からあがったソイツの体に赤いぼつぼつができてしまい それを見たレジの女にぼくはこっぴどく怒られた 女はなかなか許してくれなかった そのくせ旦那とはもう別れるという…… ぼくは自分には妻がいることを女にいった だったらと 女はぼくに断りもなく妻と同化した というか 「そのほうが面倒くさくなくていいんじゃない?」と 妻のほうから女に同化を持ちかけたらしい 子供二人のほうは 煮るなり焼くなりして ぼくがぜんぶ食べてしまった ぼくの腹の中で日中ずっとおとなしくしていた子供たちは しかし夜なると必ずぼくの口やら肛門から出てきて 部屋中を走り回った おかげでぼくも妻も寝不足の日が続いた それでも妻は文句ひとつ言わなかったが さすがに妻が出張で朝から東京にいく前夜だけは 体中の穴をガムテープで塞いで 子供たちを出さないようにした やがて大きくなって ぼくの体に収まりきれなくなった子供たちと ぼくはほとんど一日中炬燵のなかで一緒に過ごした 炬燵の天板は真っ白で ところどころに汚れがある 中でも妻がうっかりこぼした白髪染め用の黒い粉のようなものが なかなか取れない といっても本気をだして擦れば取れるはずである しかし本気を出して擦るタイミングがなかなか訪れない そういえば昨日母が買ってきてくれたホヤが 冷蔵庫にまだそのまま入っていることを思い出した ホヤはさばいてから丸一日おいたほうが美味い だから昨日の夜のうちにさばいておくように妻にいわれていたのを ぼくはすっかり忘れていた いや 昨日の夜のうちにさばいたことにして 味が熟成されていないのは今回のホヤが若すぎたせいだろう……ということにすることにした 「だったら明日のぶんに半分残しておこう そうすればちょうど良く美味しくなるでしょ」と妻にいわれて ぼくは半分のホヤをべつの器にうつして冷蔵庫にいれた 冷蔵庫からテーブルにもどるときに ふと思い出して テストステロンを分泌させるためにやっていたカニ歩きをしてもどったが 妻はそれを思いきりシカトした どうやら今日は特別疲れているらしい ぼくは炬燵に手をいれて妻の足つぼを押した 妻の顔に少しだけ笑みが浮かんだ スーパーの女は隣の部屋で子供たちを寝かしつけていた 突然 北朝鮮からのミサイルが落ちてきて ぼくたちは吹き飛ばされた といっても5メートルくらいで 死ぬどころか 誰も大した怪我はしなかった そのかわりアパートの屋根に穴があいて しかもその日は雨が降っていたから 部屋が水浸しになった 翌日ぼくたちはマスコミに囲まれた ぼくは顔出しでインタビューに答えてやる&部屋の惨状の撮影も許可してやるかわりに マスコミたちに100万円を要求した え?100万ぽっちでインタビューも撮影も無制限に許してくれるの?みたいな感じだったから もう少しふっかけても良かったか……と後悔したが いまさらそうはできなかった ともあれその3日後に振り込まれた100万円で ぼくは妻と二人で温泉旅行にいった どうせあぶく銭だからと 個室に露天風呂がついた超豪華なプランにした 生まれてはじめて伊勢海老もたべた 「明日の朝食で伊勢海老の殻をみそ汁にできますがいかがいたしますか?」と聞いてきた女は 典夫の妹に少し似ていた 典夫のおばあちゃんが死んでまもなく ぼくはそのことを 典夫の家の近くの路上で立ち話をしていたおばさん二人の会話を聞いてたまたま知った その路上の目の前には安井のむかしの家があった 安井はカラスを飼っていた そのカラスが死んだとき安井は号泣した ぼくは典夫の妹に少し似ているその女に「じゃあそうしてください」といった 典夫の妹に少し似ているその女は「かしこまりました」といって もう一人の女と一緒に器を片付けはじめた 重ねた器を部屋の裾において 最後に二人がもう一度一礼をしてから完全に部屋を出ようとした瞬間 たまたまドアの向こうを通りかかった別の客と目があった その人はお笑い芸人の「ずん」にそっくりだったが 髪型からは女にしか見えなかった 

~無名作家の彷徨い~

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